非公開求人はどんな業界・職種に多い?企業が公開しない理由を整理する
基礎知識面談の終わりに、担当者から「非公開の求人もご紹介できます」と言われる。 ありがたい話に聞こえるのに、何を聞けばいいのか、公開されている求人と何が違うのかが分からないまま、 「お願いします」と答えてしまいそうになる。そういう場面があります。 この記事では、企業が求人を非公開にする理由と、非公開求人が出やすいと考えられる職種の見方を整理し、 紹介されたその場で聞いておきたいことを5つ挙げます。 業界ごとの非公開求人の割合を示す統計は確認できていないため、数字では書いていません。
非公開求人とは、どういう求人か
非公開求人とは、企業が自社の採用ページや求人サイトなど、誰でも見られる場所には掲載せず、 転職エージェントを通じてのみ候補者に紹介している求人のことです。応募者側から見ると 「探しても出てこない求人」ですが、企業側の採用活動自体は通常どおり進んでおり、募集人数や 要件も明確に決まっています。公開しないこと自体が特別な意味を持つわけではなく、企業側の 何らかの事情によって、あえて非公開という形を選んでいる、という理解が近いでしょう。
企業が求人を非公開にする理由
企業が求人を非公開にする背景はひとつではなく、いくつかのパターンに分けて考えると 理解しやすくなります。
採用の動きそのものを外部に知られたくない
新規事業の立ち上げや組織再編に伴う採用は、正式発表の前に外部へ情報が漏れると、競合他社や 取引先、あるいは既存の従業員に余計な憶測を与えかねません。こうした事情がある採用では、 求人自体を公開せず、エージェント経由で対象を絞って進めるケースが見られます。
欠員募集であることを表に出したくない
退職者が出たポジションの後任探しなど、欠員募集であることを社外・社内問わず知られたく ない場合も、非公開で進める理由になります。特に管理職クラスの欠員は、公開すると組織の 状況について憶測を呼びやすいため、慎重に扱いたい企業がある、という見方ができます。
応募が殺到しすぎるのを避けたい
知名度の高い企業や、条件面で人気が集まりやすいポジションを公開求人にすると、応募が 大量に集まり、選考の負荷が大きくなりすぎることがあります。エージェントに絞り込みを 任せることで、自社の求める要件により近い候補者とだけやり取りしたい、という効率面の 理由も非公開求人が使われる背景のひとつです。
求める経験・スキルの要件が細かい
専門性の高いポジションほど、求める経験やスキルの組み合わせが細かくなりがちです。 条件を広く公開して母集団を集めるより、エージェントが持つ人材データベースの中から 要件に近い人だけを紹介してもらう方が、双方にとって効率的だと企業側が判断している ケースもあります。
非公開求人が出やすいと考えられる業界・職種の見方
上記の理由をふまえると、非公開求人が出やすい業界・職種にはある程度の傾向があると 考えられます。経営層に近いポジションや管理職クラスの募集は、業界を問わず非公開で進められる場合があります。 IT・DX関連の専門職のように要件が細かく人材の絶対数が限られている職種、研究開発など事業の中核に関わり社外への情報管理が 必要な職種、コンサルティングやスタートアップの経営幹部直下のポジションなども、専門性・機密性が高いために 非公開で扱われやすいと考えられます。ただし、これは上の理由から編集部が考えた見方で、業界別・職種別の割合を示す 調査は確認できていません(UNKNOWN)。同じ業界・職種であっても、企業ごとの採用方針によって公開・非公開の判断は異なります。
「非公開」だからといって、怪しい求人と決めつけなくてよい
非公開求人という言葉から、何か怪しい案件なのではと身構える方もいます。ここまでに挙げた理由は、 企業側の情報管理や採用効率に関するものです。ただし、非公開であることだけでは、その求人の中身がよいか悪いかは分かりません。 気になる点は、募集背景や待遇条件について、エージェントの担当者を通じて確認できます。公開求人と同じように、 納得できるまで質問してから、応募するかどうかを決めてください。
非公開求人を紹介されたとき、その場で聞く5つ
これは編集部が、この記事の説明から整理した質問です。答えの内容で、その求人や担当者の良し悪しが決まるわけではありません。 答えが曖昧なときは、あとでメールで聞き直せます。
- なぜ非公開なのか: 欠員補充か、新規事業か、応募を絞りたいのか。企業の事情を、担当者が把握している範囲で教えてもらいます。
- 募集の背景は何か: 増員か、欠員か。公開求人と同じ項目を、同じ基準で確認します。
- 仕事の内容と待遇条件は、どこまで書面で見られるか: 求人票を見せてもらえるか、社名はいつ分かるか。
- 応募の前に、自分の情報はどこまで企業に渡るか: 職務経歴書を送る前に、送る範囲と相手を確認します。
- 他の求人と比べる材料はあるか: 公開求人の中に似た条件のものがないか、聞いてみます。
非公開求人に出会いやすくするためにできること
非公開求人は、エージェント側が候補者の経歴を踏まえて個別に紹介する形が中心になるため、 経歴や希望条件をできるだけ具体的に伝えておくことが、紹介される求人の幅につながります。 また、専門領域に強いエージェントは、その領域の非公開求人を扱っていることがあります(各社の取扱数は比べていません)。 総合型のエージェントに加えて、自分の目指す業界・職種に特化したエージェントもあわせて登録するかは、 自分が応募したい求人の種類で考えます。何社まで併用するのが 現実的かについては、「転職エージェントは何社まで 併用するのが現実的か」でも整理しているので、あわせて参考にしてください。
「非公開求人=好条件」とは限らない点にも注意
非公開求人という響きから、公開求人よりも条件面で優れているのではと期待しすぎてしまう こともあります。編集部は、公開・非公開は「社外に出したくない事情があるかどうか」で分かれる区分で、 非公開かどうかだけでは条件のよしあしは分からないと考えます(両者の条件を比べた調査は確認できていません)。 エージェントから非公開求人を紹介されたときは、非公開であること自体は判断材料にせず、 業務内容・条件・募集背景を公開求人と同じ基準で確認したうえで検討するとよいでしょう。
特化型エージェントが力を発揮しやすい領域もある
経営幹部やコンサルティング・DX領域のように、専門性や機密性が高い領域では、 そのジャンルに特化したエージェントも選択肢になります(編集部の見方で、各社の非公開案件の取扱数は比べていません)。 コンサル・DX・スタートアップ領域における非公開求人の位置づけは「コンサル・DX・ スタートアップ転職で「非公開求人」が重要になる理由」で、目的別の特化型エージェントの 比較は「目的別・特化型転職エージェント比較」で それぞれ詳しく取り上げているので、自分の目指す領域に近いものがあれば読んでみてください。
まとめ
非公開求人が存在する理由は、採用の動きを外部に知られたくない、欠員募集であることを伏せたい、応募を絞り込みたい、 要件が細かいといった、企業側のさまざまな事情です。編集部は、非公開かどうかだけでは条件のよしあしや求人の信頼性は分からないと考えます(比べた調査は確認できていません)。 経営層に近いポジションや専門性の高い職種ほど非公開で扱われやすいと考えられますが、割合を示す調査は確認できていません。 今夜できる最初の一歩は、次に担当者から非公開求人を紹介されたときのために、上の5つの質問をメモに書き写しておくことです。
本記事は一般的な情報提供を目的とした編集部独自のコンテンツです。非公開求人の扱いや 公開・非公開の基準は企業・エージェントによって異なります。実際の求人内容や募集背景に ついては、ご利用の転職エージェントの担当者に個別にご確認ください。