退職日と入社日のあいだが空くとき。健康保険・年金・雇用保険の手続きを、期限つきで整理する

更新日: 2026年10月22日

転職活動の進め方

最終出社日の帰り道、空にした引き出しの中身を詰めた紙袋を提げて、スマホのカレンダーを開く。次の会社の入社日までは3週間ある。その間の健康保険は、年金は、会社に言われた「離職票」は。単語は浮かぶのに、どれを誰にいつまでに出すのかが、ひとつも言えない。 この記事は、退職日と入社日のあいだが空くときの三つの制度を、「誰が、どこへ、何日以内に」の形にそろえたものです。厚生労働省の資料と条文を、自分で開いて確かめた範囲に限っています。

数え始めの日は、多くが「退職日の翌日」

期限を数える前に、退職日と入社日を書き出します。退職日の翌日から入社日の前日までが、この記事でいう「空き」です。 確認できた資料では、健康保険と国民年金は退職日の翌日が起点で、雇用保険の受給期間も離職日の翌日から数えます。

退職日が会社との調整で動けば、数え始めも動きます。退職日の置き方は有給消化と退職スケジュール、どう調整する?に、入社日の確認は内定後の条件確認・入社日調整で気をつけたいことにまとめています。

空きの有無と、次の仕事が決まっているかで、自分で動く手続きが変わる

次の表は、厚生労働省の資料に書かれていることを、三つの状況に並べ直したものです。状況の分け方は編集部の整理です。

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状況ごとに、資料に書かれていること(2026年10月22日に確認。表現は要約)
状況 健康保険 国民年金 雇用保険
A 退職日の翌日から次の会社で働く(空きなし) 資格の取得と喪失は、事業主が保険者等に届け出る(第48条)。国民健康保険は、他の医療保険に加入している人を対象から除く 会社員の第2号被保険者の手続きは、勤務先を通じて行う 次の就職が決まっている人は、原則として基本手当などの対象外
B 次の会社は決まっているが、入社まで空きがある 国民健康保険は市区町村、任意継続は保険者へ自分で届け出る。被扶養者は家族の加入先に問い合わせる 第1号被保険者への切り替えを、市区町村の窓口に届け出る(配偶者の扶養に入る場合は第3号への変更で、配偶者の勤務先経由) Aと同じ。個別の状況の判断はハローワークで確認する(パンフレットは、支給されない方の一覧について、状態によって変わる場合もあるのでハローワークに相談するよう案内している)
C 次の会社が決まっておらず、離職期間がある Bと同じ Bと同じ(扶養に入る場合は配偶者の勤務先経由)。納めるのが難しいときは、免除・納付猶予を申請できる(承認の可否は審査。所得などの条件があり、納付猶予は50歳になる月の前月分までが対象) 受給要件を満たし失業の状態なら、離職票を持ってハローワークで受給手続き

この記事は、20歳以上60歳未満で、雇用保険の一般の被保険者だった人を想定しています。65歳以上の人や季節的に働く人の給付は別の制度で、扱いません。60歳以上の年金の扱いは確認していません。

健康保険は、三つの道と、期限の違う二つの窓口

勤務先の健康保険の資格は、退職日の翌日に終わります。そのあとは、次のどれかを選ぶ場面になります。

  1. 任意継続: 退職前の健康保険に、続けて入る道です。申出は資格を喪失した日から20日以内(第37条第1項)。保険者が正当な理由があると認めれば期間後も受理できるとありますが、例外なので、期限内に間に合わせる前提で考えます。 条件は、資格喪失の日の前日まで継続して2か月以上被保険者であったこと(第3条第4項)。加入した日から2年を経過すると資格を失い(第38条第1号)、「被保険者となったとき」にも失います(同条第4号)。 申出のあと、初めて納める保険料の納付期日にも注意が必要と条文にあります(第37条第2項)。期日は保険者に確認してください。保険料は事業主の負担がなく全額本人の負担と、厚生労働省保険局の令和元年の資料にあります。申出先の保険者は、全国健康保険協会か健康保険組合です。
  2. 国民健康保険: 窓口は市区町村です。厚生労働省のページには、被保険者となったとき、脱退するときなどは、14日以内に市町村の窓口へ関係書類を提出する必要がある、とあります。14日を何日目から数えるのかは書かれていないので、窓口で確かめます。再就職して新しい会社の健康保険に入ったときは、国民健康保険の対象から除かれる人(他の医療保険に加入している方)に当たるため、脱退の届出が要ると編集部は読みました(期限は「脱退するときなど14日以内」とあります。個別は窓口で確認してください)。
  3. 家族の健康保険の被扶養者: 条件は、この記事では確認できていません。雇用保険のQ&Aには、基本手当を受けていると扶養家族になれない場合があるので、加入先の健康保険組合か家族の勤務先の福利厚生担当に問い合わせるように、とあります。

どれが安いかは、この記事では比べられません。令和元年の保険局の資料は、国民健康保険の所得割は前年の所得を基準に算定されるため、退職後に所得がなくても退職時の高い所得に基づく保険料になる場合がある、と説明しています。令和元年時点の説明なので、いまの算定は窓口で確認してください。両方の窓口に自分の場合の金額を聞いて並べて比べるのが、迷いにくい方法だと思います(編集部の整理)。

雇用保険の手続きは、国民健康保険の窓口にも関わります。倒産・解雇などによる離職(特定受給資格者)や、雇い止めなどによる離職(特定理由離職者)の人は、保険料(税)の軽減措置を受けられる場合があります。雇用保険の受給手続きのあとに交付される受給資格者証の「離職理由」の記載が条件で、詳しくは市町村の国民健康保険の担当へ、と厚生労働省のQ&Aは案内しています。

国民年金は、退職日の翌日から第1号。14日以内に市区町村へ

日本国内に住所のある20歳以上60歳未満のすべての人は、国民年金に加入します。第1号は自営業者、学生、無職の人など。第2号は厚生年金保険や共済組合に入っている会社員・公務員など。第3号は第2号に扶養されている配偶者です。会社を辞めて空きができると、第2号から第1号に切り替わります。配偶者の扶養に入る場合は第3号への種別変更で、手続き先は配偶者の勤務先とガイドに書かれています。扶養の条件は、この記事では確認していません。

入社して第2号に戻るときは、勤務先を通じた手続きです。個別の記録や取り扱いは、日本年金機構の電話相談や全国の窓口(厚生労働省の年金のページが案内しています)で確かめます。

雇用保険は、離職票を持って自分でハローワークへ行く制度

基本手当は、退職すれば受けられるとは限らず、受給要件を満たした場合にだけ受給できる、と厚生労働省のQ&Aは書いています。

  1. 会社の手続き: 会社が、離職日の翌々日から10日以内に資格喪失届をハローワークに出し、離職票が会社経由で本人に渡されます。交付を希望すると伝えたのに10日を過ぎても届かないときは、まず会社に処理状況を確認します。それでも届かないときは、身元確認書類と退職したことが分かる書類(退職証明書など)を持って、住所を管轄するハローワークに早めに相談します
  2. 受給手続き: 離職票が届いた時点で就職が決まっていなければ、速やかに住所を管轄するハローワークへ行きます。求職の申し込みとあわせて始まります。離職票-1と-2、マイナンバーと身元の確認書類、写真、本人名義の預金通帳などを持っていきます(持ち物の詳細はハローワークで確認してください)

離職票の離職理由が実際と違うときは、受給手続きのときに担当者へ伝えます。正当な理由のない自己都合の退職には、受給手続日から原則7日たった日の翌日から一定の間、受給できない期間(給付制限)があります。退職日が令和7年4月1日以降なら原則1か月で、正当な理由なく自己都合で退職し受給資格決定を受けたことが5年のうちに2回以上ある場合などは3か月です。

受給期間は、原則として離職日の翌日から1年間で、過ぎると所定給付日数が残っていても受けられません。病気やけがなどで引き続き30日以上働けないときは、延長を申請できます。受給手続きをしないまま再就職が決まると、再就職手当を含む手当は受けられません。一方、給付を受けずに1年以内に次の就職先で雇用保険に入ったときは、前の会社での被保険者であった期間も通算されます。日数や金額は、年齢、被保険者であった期間、離職理由で決まるので、ここには書きません。

数え始めと期限を、一枚にする

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退職日の翌日を目安にした、手続きの一覧(2026年10月22日に確認。「期限・目安」は資料の言葉のまま)
手続き 誰が・どこへ 期限・目安
離職票の発行 会社が、ハローワークへ 離職日の翌々日から10日以内に資格喪失届
任意継続の申出 本人が、保険者へ 資格を喪失した日から20日以内
国民健康保険の加入・脱退 本人が、市区町村の窓口へ 被保険者となったとき、脱退するとき14日以内(数え始めは資料に記載なし)
国民年金の第1号への切り替え 本人が、市区町村の窓口へ 切り替えの日(退職日の翌日)から14日以内
基本手当の受給手続き 本人が、住所を管轄するハローワークへ 離職票が届いたら速やかに。受給期間は離職日の翌日から原則1年間

退職の前に、日付と窓口をそろえる

ここは編集部の整理で、効果を確かめた手順ではありません。カレンダーの横に置いて使えます。

窓口は、国民健康保険と国民年金が市区町村、任意継続が保険者、雇用保険がハローワークです。ハローワークと民間のサービスの違いは転職エージェント・転職サイト・ハローワークの違いを整理するにあります。 入社日を決める段階なら、エージェント経由では担当者に空きの事情を伝えて相談できる場合があります(対応はサービスごとに異なります)。どのタイプが自分の状況に近いかは、タイプ別・エージェント選び方診断(広告を含むページです)で確かめられます。

まとめ

退職日と入社日のあいだが空くときは、健康保険と国民年金は退職日の翌日が起点で、期限は制度ごとに違います。国民健康保険と国民年金は市区町村へ14日以内、任意継続は保険者へ20日以内、雇用保険は会社が出す離職票を待ってハローワークへ。次の就職が決まっている人は、基本手当は原則として対象外です。 カレンダーの余白に、退職日の翌日から数えた日付が並び、それぞれの横に「市役所」「ハローワーク」と窓口の名前が書いてある。入社日の朝は、手続きのことより、初日に何を着ていくかを考えていられる。 いま手元のカレンダーで、退職日の翌日から数えて、いちばん早い期限はどれでしょうか。

本記事は一般的な情報提供を目的とした編集部独自のコンテンツです。社会保険や雇用保険の制度は、改正されることがあります。個別の手続き、期限、保険料や給付の取り扱いは、お住まいの市区町村、加入していた健康保険の保険者、ハローワーク、年金事務所などの窓口、または社会保険労務士などの専門家にご確認ください。 税金の扱いについては、この記事では触れていません。 転職や退職の結果について、特定の結果を保証するものではありません。 タイプ別・エージェント選び方診断は、広告を含むページです。